ご無沙汰しております。去年始まで 約5年間、白川村の皆様には大変お世話になっていました、前盛よもぎです。

昨年1月、救急車で白川を離れたあの日から、あっという間に1年9ヶ月が経ちました。当時 私のことでお騒がせをしてしまった方々、ご心配ご迷惑をおかけしてしまった方々へ、改めて大変申し訳ありませんでした。

世界中でコロナ禍が本格的に始まり出した時期で、世の中全体が混乱していたと思いますが、入院中から現在まで、いろいろな形でサポートをしてくださったり 思いを寄せてくださった方々へ、本当にありがとうございました。

その後私は、高山の赤十字病院と東京のリハビリ病院での8ヶ月間の入院生活を経て、昨年9月に地元石垣島に帰ってきました。

世の中の混乱状態や私自身の心身の状態が安定してくるのを待っていたら、なかなか直接ご挨拶に伺えずにいましたが、

入院中から今日の日まで、石垣から遠く離れた白川村から気にかけてくださっている方々の存在を感じるたびに、そちらで過ごした日々の記憶や、皆様との時間を、懐かしく、恋しく、しみじみありがたく、思い返していました。

現在の私は、まだ夏の景色が広がる石垣島で、通院リハビリなどは続けながらですが、少しづつ復職などもさせてもらいながら、家族や友人たちに日々存分にお世話になりながら、暮らしています。

今の状態としては、まだ少し身体機能的な不自由が残っていて、うまく体幹を保てないので歩行などがおぼつかなかったりはしますが、現在は何も掴まずに1人で歩くことができるようになりました。

目に見てパッと分かるような麻痺などはもう残ってないのに、なんだかうまく歩けないのは、「歩行失行」という症状だそうです。(部分的な軽度の麻痺は残っています。)

頭の方は、今も「高次脳機能障害」というのが残っていて、短時間に少量の簡単な作業をしただけでも あっという間に脳が疲れてしまい、すごく眠くなり思うように作業が捗らなかったり、

外傷や病気により脳損傷を受けた人などに現れるこの症状を、専門用語では「易疲労性」というそうです

複数のことを同時進行するのが難しかったり(例えそれが簡単な作業の組み合わせであっても)、

例えば「珈琲を淹れながら、お湯を落としている間に その場にいる人数を目視で数えて、人数に合わせてバランスよくお皿に取り分ける」とかでさえも、めっちゃ困難。全部のことに一貫したルールをつくって、毎日しっかり手順を復習しながら行っているのに、決まった時間内で計画通り予定をこなすのは、とても難しくなりました。

家事も仕事も、新しい挑戦が発生するたびにあわあわしてしまって、結果そのあわあわしてる間に失敗する、という流れに陥ってしまう事がまだとても多いです。

同じ環境で複数の人が話している言葉や声を聞き分けてその内容を正確に認識・理解するというのが難しかったり、物事を順序立てて進めて最後までやり遂げるというのが難しかったり、周りの人たちの動きを見ながら臨機応変に冷静な判断・対応をするというのが難しくなっていたりしますが、

高次脳機能障害のこれらの症状のことを、専門用語では「注意障害」とか「遂行機能障害」とか「社会的行動障害」というそうです

去年の入院中に比べると、身体機能的にも脳機能的にも、回復を実感できるシーンは増えてきています。

最近まで1番困難感のあった「記憶障害」という 短期記憶が全く保てない(一瞬前の出来事も覚えていられないし、保てた記憶もいつの間にか時系列がバラバラになり、それぞれのシーンが断片的なぼんやりしたイメージとして脳内に残ってしまうため、日常の出来事に「意味が分からない」状況が大量に発生する)症状なども、最近だいぶ回復してきている実感があります。

去年まだ高山日赤のICUにいた頃、私の意識が戻らなかった頃から、目に見えづらい祈りなどの形も含めた 沢山のお気持ちを寄せてくださった白川の皆様に、顔を合わせて感謝を伝えられる日が来ることを、ずっと待っていました。

そして、今月やっと、ついに、去年突然終わってしまった白川村での暮らしを一旦整理するための、色々な作業(小白川の家のお掃除・お片付けや、村の皆様への改めてのご挨拶など)をしに、10月21日(木)〜 27(水)の1週間、そちらに滞在する予定でいろいろな準備を進めています🙇‍

去年の今時期、東京のリハビリ病院を退院した頃(2020年9月)は、「白川には、雪が溶けてコロナの混乱状況が落ち着くのを待ってから行こうね」と家族と話していたのですが、もうやがて次の冬が来てしまうし、終息と言える時期を待っていたらどれだけ待っても、いつまで経っても、そちらには行けない気がして、この判断に至りました。

白川も、石垣も、まだまだ世の中全体で落ち着いた暮らしが戻ってこない日々が続いているし、

飛騨も八重山も観光地であり、これまでもう長年、日々の暮らしと両立して外からの人の出入りを当たり前に受け入れてきた土地柄、その生活の上で経済サイクルが出来上がっていたと思うので、今もまだまだ大変な思いをしている人が多いと思います。

観光地(石垣島)から観光地(世界遺産 白川郷)への移動ということもあり、ずっと時期を決められずにいましたが、さすがにこれ以上やまよの家 をそのままにしておくわけにもいかないと思っているし、

個人的な思いですが、白川の皆様に会えるのがこれ以上先延ばしになってしまうのは、もう日々寂しさに飲まれてしまって いつまでも心が落ち着かないので、今回行かせてもらう決断をしたことを、どうかご理解ください🙇‍

ここからは具体的なスケジュールに関して書きます。

21日(木)と27(水)は移動日の予定なので、しっかり作業ができるのは、中5日間のみになりそうです。私と母との2人で行きますが、滞在中は自分たちで自由に動ける車などの移動手段がない中で、小白川からリサイクルハウスへの家具の運搬とか、他地域へのご挨拶周りなどもする予定を立てています。

ご挨拶に伺いたい人がもうたっっくさんいて、今回の滞在期間中では到底周り切ることができないのは分かっているし、今回は私たちが村に滞在できる日数も限られているので、滞在中はなるべく現地でしか行えない作業で、1番に優先するべき家の掃除や引っ越し作業の方に時間を取ろうと思っています。

10月21日〜27日まで、初日と最終宿泊日は荻町泊で、なか4泊は小白川でお世話になる予定です🙇‍

前盛滞在中の具体的な作業内容やスケジュールなどは、▽こちらのLINEアカウント▽ から随時配信させて頂くようにするので、もし「時間があえば手伝い行くよ」「分からんこと困ったことがあったら連絡していいよ」という方などがいらっしゃれば、良かったら追加お願いします🙇‍

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どうぞよろしくお願い致します。

白川は、きっともう冷えてきているのだろうな。

だんだんと冬の気配を感じて始めているだろう皆様に、ちょっとでも心の力を緩める時間を過ごしてもらえたらいいなと思い、近所の浜で過ごす夕暮れ時間を添えます。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1995年、沖縄県石垣島生まれ。大学進学のため上京後、休学して岐阜県白川村に移住。 ソーシャル大学、こども劇団、コミュニティスペースの立ち上げ・運営、ローカルマガジンの発行、地域内外でのイベント企画・開催、観光用SNS運用、村役場、農家さん、民宿、飲食店、学童、社協などでのお手伝い、移住定住事業のサポートなどを経験させてもらいました。 2020年、交通事故・入院生活を経て帰島。脳の障害と軽度の身体障害が残り、色々なことがうまくできなくなり、再挑戦・再獲得を積み重ねる日々。脳がうまく働かなくなった今だから、初めて気づけたこと、学べた価値観を大切に、これからも1つずつ積み重ねて生きていきたいです。 踊ること、撮ること、書くことが好き。ヒトを含む動物が好き。肩の力を抜いていこ〜