「黙ってる方が楽」それは本当に幸せな生き方?

今日は、島に関わる、全ての人へ向けて。

いま石垣島で起こっている「市民署名大運動会」の動きのこと、平得大俣地区への自衛隊配備の賛否を問う「住民投票」という取り組みのことを、書こうと思う。

面倒臭いかもしれんけど、まずはちょっとでも、目を通してみてほしい。自分たちの生まれ育った大切な場所が、大きな変化を迎えようとしていること、今スルーしていたら、きっと後悔すると思うから。

 


 

このネット時代って、黙る技術が大切だと思っていたんです。

あえて渦中の話題に飛び込まず、自分が批判を浴びず、黙っていた方が得でしょっていう。ほとんどの人が賢くて、黙る技術を駆使しながら、ヘビーな話題はネット上で語らないみたいなのもあって。

ネット時代の立ち振る舞いとしてある意味正しいし、僕も実際そうしていた。

でも、発信ありきの思考になることで、もっと深く勉強しようとか思ったり、自分の中で考えたりする機会が増えたのは、発見でした。

これは、最近 話題のせやろがいおじさんが、Buzz Feed Newsの「“沖縄の海から叫び続ける、謎の「おじさん」の正体”」という取材記事で語っていた言葉。

( せやろがいおじさんのブログも、とても素敵なので、ぜひ読んでみてね。)

これを読んだとき、本当にその通りだなと思って。同時に、これは何も、ネットの世界だけの話ではないなと感じたんです。

政治的な話題について、自分の意見をオープンに語るのはよくない。」「世の中の流れに逆らうような声を上げるのは危険だ。」という空気感は、リアルな世界でも確かに存在していて。

私の地元八重山(人口約5万人)でも、今住んでいる白川村(人口約1600人)でも、そして日本全体でも。

同調圧力に反するような発言やムーブメントがあったとき、周りが過剰に反応して、無意味な”炎上”が起こっているシーンを、よく見かけます。

だから、そんな世の中で日々生きている私たちが「黙ってる方が楽だ」という思考になるのは、当たり前のことなのかもしれないし、賢い判断なのかもしれない。

私自身も、地域内で賛否が分かれるような話題について自分の意見を口にするときは、すごい勇気と覚悟がいるもので。

お金や政治が絡むようなデリケートな内容であるほど、自分の言葉がうっかり誰かの生き方を否定してしまっていないか、誤った情報を流してしまっていないかと、気も使う。

堂々と発言するためには、その主張を裏付ける知識や、説得力のある経歴、実績、信頼が必要だし、そうやって全力で問題と向き合うことで、今まで知らなかった物事の裏側が見えてきてしまったり、世の中で起こる色々な出来事について日頃から深く勘ぐる癖がついてしまったりして、とても疲れる。

頭を使って自分で答えを探すのは面倒臭いし、ややこしい問題に向き合い続けてると、心もしんどくなってくる。

だから、何も知らずに、自分の身の回りの楽しいことだけに目を向けて生きる方が、楽なのかもしれない。そう思うこともある。

でも。でもね。

他人からの批判を恐れて、衝突をきらって、自分の素直な疑問や感覚を押し殺して、思考や感情を停止させて生きるのは、本当に幸せなんだろうか?と、やっぱり、思ってしまうんです。

それよりかは、まずは自分の感覚を堂々とさらけ出してみて、思いを行動に起こして、そのアクションに反応を返してくれる色んな人たちとの対話を重ねながら、何度も何度も悩みながら、試行錯誤して、より良い方法を模索しながら生きていくほうが、ずっとずっと健康的で、豊かなんじゃないかと思うんです。

だから、今回、私たちの生まれ島で実現しようとしている陸上自衛隊の配備計画に関する住民投票の動きについても、やっぱり今、ちゃんと自分の言葉で書かなきゃと思って。

この問題は、島に住んでいようが、なかろうが、島に関わるみんなで一緒に考えたいことだなと思うし、時間の迫っていることだなと思ったから。眠気に負けそうな夜中の3時ですが、書いてみます。

まずは島の同世代へ。

・もうすぐ石垣島にミサイル基地が作られようとしていること。自衛隊が配備されようとしていること。

・その問題に関して、いまいちど島民の声を吸い上げて民意を表明するために「住民投票」という新たな取り組みが行われようとしていること。

・今その「住民投票」の実現に向けて、島の20代が中心となって署名活動を始めていること。

みんな、どのくらい知ってる?どのくらい本気で考えたことあるものなんだろう?

なんとなく知ってるつもりだったけど、実は、何が起こってるのかよく分からんさ〜。

もし、そう感じた人がいたなら、この記事をぜひ頑張って読んでみてほしい。

私も、島の問題についてはいつも分からないことだらけで(SNSでシェアされてくるのは、新聞の記事ばかり。堅苦しい文章はつい敬遠してしまうよね。)「もっと分かりやすい情報が欲しい!」とよく思ってる。

だから今日はひとまず、自分の知りうる限りの事を、できるだけ分かりやすくここに書いてみるね。

「島んちゅの思いを、愛とユーモアを持って集めよう。対立じゃなく、対話をしよう。」

まずは、この映像を音声ありで見てほしい。

めっちゃ、いい歌じゃない?

私はこの映像を、島から遠く離れた岐阜で見たんだけど、なんか一気に八重山の「今」が伝わってきた気がして、胸が熱くなったよ。

歌っているのは、島で農業や畜産業の若き担い手として頑張っている20代を中心とした、「石垣市住民投票を求める会」のメンバー。

島の未来を本気で考え、とても根深い大きな問題に対して、諦めずに恐れずに、力強く行動をおこしている、かっこいい先輩方だ。

敬遠されがちな島の政治的な問題への取り組みを、全く攻撃的じゃない、温かい笑顔あふれるムーブメントを通して発信していて、「島の人の声を市や国に届けることの大切さ」を丁寧に伝えていて、諦めずに対話を求めていて、地域の未来を考える仲間の輪をじわじわと広めている。

心からすごいなと思うし、こういう同世代が沢山いる地元が誇らしくて、私はやっぱり島が大好きだなと思う。

話そうよ 話そうよ
今日の出来事 未来の夢

咲かそうよ 咲かそうよ
色とりどりの花 みんなの心に

認めよう 認めよう
あなたと違う人 あなた自身も

唄おうよ 唄おうよ
怒ってる人も 泣いてる人も

笑おうよ 笑おうよ
その笑顔が 一番好き

話そうよ 話そうよ
今日の出来事 未来の夢

話そうよ 話そうよ
大切なこと 島のこと

この歌にあるように、島の大切なことは、やっぱり島んちゅで決めたいよねって思う。今回実現しようとしている住民投票は、島で暮らす1人1人が、自分の意見を直接示すことができる機会だから。

賛成の人も、反対の人も、よく分からない人も、この機会にもう1度、島の過去と未来に、深く思いを馳せてみて、自分の思いを堂々と口にできたらいいなと思う。

いま八重山が抱えている問題の多くは、後から後悔しても、取り返しのつかないことばかりだから。

私たちが今できる1つの大切な手段として、住民投票、実現させたいなと思うんです。

いま行われているのは、平得大俣地区への陸自配備の賛否を問う「住民投票」を行うための、署名運動。

まず署名運動の経緯を最初からざっと説明すると、今、島の真ん中にある「平得大俣地区」で「陸上自衛隊」を配備する計画が進んでいます。(自衛隊配備についての詳細は下記の新聞記事をタップして読んでみてね)

この配備計画に対しては、島内では今までにも色々な賛成の声・反対の声があがっていて、

賛成の人
今これだけ中国の船が尖閣諸島周辺への領海侵犯などをしてきている状況で、いざという時のための抑止力を南西諸島地域で持っておくことは、国防として必要なんじゃないかな。

陸上自衛隊を配備して防衛体制を強化することは、島の平和な暮らしを守っていくことに繋がると思う。

反対の人
なぜ石垣島のど真ん中にミサイル部隊をおく必要があるんだろう?大切な於茂登の水や、自然環境は、十分に保全されるのかな。住民への情報共有も、この場所にする理由説明も、環境調査も、双方向の議論も不十分で、島民の意思表明の機会すら無いままに勝手に計画が進んでいくのって不自然じゃないかな。

そもそも、石垣島にミサイル基地を配備することは、本当に中国への抑止力になるのかな?有事のときに、逆に真っ先に攻撃されちゃんじゃない?

などなど、色々な意見や疑問が出ています。賛成の人も、反対の人も、互いに色んな不安を抱えながら、島の未来に向き合ってるんだよね。

本来、こういった島の大事な出来事を決めるのは、私たちが選挙で選んだ「議員さん」や「市長さん」の役割なのだけど(これは間接民主主義と言って、日本全体の政治のベースにある仕組みだよ。)

今回は、その間接民主主義のやり方に対して、疑問や不信感を持った島民の中から「島のみんながどう思ってるのか、実際に直接 意見を集めてようよ!」という声が上がったんです。

そこで、住民の意見を公平に集めて、その結果を分かりやすく政治の場に反映させる手段として、「住民投票」という直接民主主義的な仕組みを利用することになったんですね。(住民投票についての詳細は下記の新聞記事をタップして読んでみてね)

でも、その住民投票もいきなり実現することはできないから、まずは住民投票の実施に賛成する人の署名を「島の有権者の50分の1」人分、集めなくてはいけなくて。

週末の石垣島祭りを皮切りに、島の若者たちが署名運動を始めています。


目標人数は、本来 条例請求に必要な署名数「774人」を大きく上回る、「1万人」。

1万人の目標設定にしたのは、”自治体の憲法” とも呼ばれる「市自治基本条例」 で、「請求に必要な署名は4分の1」と制定されているから。

「ちょっとの数じゃ政府はピクリとも動かない」という感覚を、島民は今までの経験から身を以てよく知っているしね。

署名活動を展開している「石垣市住民投票を求める会」は、マンゴー農家の金城龍太郎さんを筆頭に、白保で牛飼いをしてる宮良央にーにーや、島の20代が中心となって結成した会。

11月30日までに署名を集めて、中山義隆市長に条例制定を請求するそう。集めた署名は選挙管理委員会が審査するので、個人情報などの心配も問題なさそう。

(署名活動に関しての詳細は下記の新聞記事をタップして読んでみてね)

この1ヶ月間、一緒に署名集めをしてくれる「受任者」も募集してるから、興味のある人はぜひ、加わってみてほしい。

投票について、分かりやすい映像も作ってくれてるよ。

「住民投票をするための署名活動は、憲法・法律・条例によって守られている、私たちの大切な権利です」

この活動を、幅広い年代にポップに広めたいという気持ちが、めっちゃ伝わってくる映像だよ。(後半とくに!)

「意見を言うこと自体がダメみたいな雰囲気が流れているのがすごく寂しい。」

この署名活動の中で、とってもいいなと思うのは、メンバーが繰り返し言っている

「 “反対しよう” でも “賛成しよう” でも “地域対抗で戦おう” でもなく、”意見をいうのがダメという今の島の空気を変えよう。もう一度、みんなで島のことを考えよう。この場所でいいのかを、ちゃんと話し合おう。” 」

という言葉。

「石垣市住民投票を求める会」の記者会見の様子(タップして琉球朝日放送の記事に飛ぶと映像が見れるよ)

署名活動の様子(タップして琉球朝日放送の記事に飛ぶと映像が見れるよ)

代表の龍太郎さんが呼びかけている、「賛成のためでも、反対のためでもなく、島の意見を出し合うための住民投票です。」という言葉の真意が、多くの人の胸に届いてほしいなと思う。

今晩、11月6日(火)の夜には、City Jack にてイベントもあるそう。島の若者たち、ぜひ!

最終的に住民投票が実現できたとして、その結果はどういう影響力を持つのか?

これ、1番気になるところだよね。

この住民投票で出た結果は、法的な影響力は持たずとも、政治上の判断をする上で十分に尊重されるべきものになるそうです。

中山市長は「住民投票の実施について否定はしない。結果は尊重するが、完全に従うかどうかは条例の中身で決める。」とだけ言っていて、未来がどうなるのかはまだ何とも、分からないけれど。

まあでも、これだけ直接的な「島民の民意」が無視されることは、国としてあってはならない事態だと、分かりやすい形で見えるようになると思うから。

結果はどうなるとしても、今回の署名運動、そして住民投票の実施は、とっても大きな意味を持つと信じています。

石垣島に住民票がある人、まずはぜひ署名を。署名ができるのは11月いっぱい。1ヶ月の間に、沢山の島んちゅが参加してくれることを願っています。

署名ができる場所

タウンプラザかねひで石垣店(石垣市登野城642−1)

パイナプルクラブ石垣市平得1535−14)

上原内科(石垣市登野城458)

金城住建(石垣市平得434−1)

署名簿受け取り&提出先

「石垣市住民投票を求める会」公式HP

事務所の住所:登野城660-2

電話番号:0980-83-0501

メールアドレス:info@ishigaki-tohyo.com

最後に。間接民主主義のこの国で、最近、直接民主主義的な動きが増えてきている。その意味とは?

自分たちが選挙で選んだ代表者が行う政治に対して、不満を持つ国民が増えている、ということが、最近とてもとても不思議でならない。

なんかカラクリでもあんのかなって思うくらいに、私たちが日々の暮らしの中で肌感で感じている世論と、選挙の結果が、あまりにも違いすぎて、意味が分からない。

政治家の多くが、置かれた場面次第で簡単に自分の意見(公約)を使い分けている、ということなのか。

日本の政治の現場全体に、何かしらの大きな圧力がかかっていて、政治家1人1人も素直に自分の意見を発言できない状況になってしまっている、ということなのか。

単純に、政治や選挙に対して、主体的じゃない国民が増えてしまっている結果なのか。

地域の未来よりも、己の目先の私利私欲を優先する市民の声ばかりが、”民意”として切り取られてしまっている、ということなのか。

民主主義がどうも上手く国民の幸せに繋がっていないように見える日本社会で育った私には、政治の在り方の最適解も、より良いコミュニティを作るためのルールも、世界平和の実現方法も、まだまだ全然分からない。

「住民投票は陸自配備問題にはなじまない。税金の使い方として不適切だ。」と言う島の大人たちへ。

先日、辺野古の「県民投票条例案」に反対した、石垣市議会与党の議員さんたちへ。(詳細は下記の新聞記事をタップして読んでみてね)

私は聞きたいことが沢山あります。

県民投票・住民投票って、地域に暮らす人が「この問題だけは政治家任せにせずに自ら意思を表明したい」と思ったときに行使できる、政治上の大切な権利でしょう?

それを否定するのは、民主主義の根っこにある討論、透明性、説明責任という3要素をがっつり無視していることにはならないの?

「沖縄県民の気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興発展に全力を尽くす」と繰り返しながら、県民の民意と真逆の方向に政策を進めていく、中央政府の皆さんへ

答えてほしい。本当は、沖縄のこと、日本の行く道のこと、どう見ているの?

沖縄県民や石垣市民の疑問に返事をくれないのはどうして?

自衛隊配備、高層リゾートホテル誘致、建物の高さ規制緩和、何も説明がないままに島の中で色々な計画が進んでいくのはどうして?

私たちウチナンチュや国民に伝えてない事実や計画が、他にどれくらい隠れてるの?

これからの日本はどうなるの?

・・・なんて、そんな問いを叫んだところで、市や国からの答えは、返ってこないから。

せやろがいおじさんのように海に叫んで、周りの人に問題提起をするとか、自分の頭で考えて1つずつ行動を起こしていくことしか、いま出来ることはないんだよね。

 

続きはまた来週、島に帰ってから。

こちらはとても綺麗な季節だよ。

 


 

【 追記 】住民投票のその後の様子については、こちらの記事の後半に載ってます。

ここ最近で、胸熱くなったムーブメントやコンテンツまとめ。

2018.12.4.

こっちは1年前に書いた記事。

石垣島のミサイル基地配備の話。

2017.9.11.

4 件のコメント

  • 石垣島の若い人たちが住民投票の実施を求めて運動している姿に感動しました。私は横浜市で38年間中学校社会科教員をして退職したものです。今は,安部9条改憲NO!の署名運動をしたり,北朝鮮・中国脅威論を払拭するための学習会の講師をしたりしています。9月17日から20日にかけては沖縄県知事選の応援で沖縄に行き,「中国がせめて来るというデマを斬る」という内容で路地裏宣伝をしたりしました。米朝会談が進展し,朝鮮戦争が終結するなら東アジアの緊張は大幅に緩和し,今強引に進められている南西諸島のミサイル基地建設などまったく有害無益にならざるを得ないと思っています。中村石垣市長の尖閣諸島についての歴史理解や領土問題のとらえ方の誤りについても批判したいですし,住民のみなさんのとまどいの要因についても僭越ではありますが提言をしたいなどと考えています。機会があれば石垣市に出かけていって話したいとも思っていますが,何のつながりもないので,「本土から来たエラソーな爺さんが何か言ってる」と思われるだけでしょう。どなたかに”北朝鮮・中国と「憲法9条」の平和”という私が今までに7回ほど横浜市と海老名市,藤沢市で行ってきた報告のレジュメだけでも送ることができたらと思っています。ふさわしい方のお名前とメールアドレスがわかればすぐに送らせていただきます。もちろんあなたにも送りたいです。フェイスブックでも本名でいろいろ発信していますので,どんな人間かお確かめ上でご検討ください。

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    沖縄県石垣島出身の早稲田大学生。地域づくり・教育について現場で学ぼうと、19歳のとき大学を休学して岐阜県白川村に移住。 石垣島と白川村を行ったりきたりしながら、人がよりよく生きるための学びの場づくりを模索・実践中。踊ること、対話することが好きです。