心揺さぶられるショーとは、技術の高さによって作られるのではなく、そこに「演者の物語が溢れ出しているか」が大事な気がするって話。

私は踊ることが好きです。

今まで、ロック、ヒップホップ、八重山舞踊、琉球舞踊、カラーガード、ジャズ、現代版組踊、フラダンスなど、色々なジャンルの舞台を経験してきて、どんな作品でもステージの上で仲間と全力で物語を作り上げる瞬間ってのは、最高に気持ち良くて、生きる意味を感じる時間だなと感じます。

でも、その中でも、「うわー最高だー!」って涙が出るような舞台、魂震える感覚ってのは、自分がプレイヤーの場合でも、オーディエンスの場合でも、やっぱりダントツに、ガード・ジャズ・現代版組踊とかの作品に多い気がしていて。

その理由を考えてみたら(これは完全に私個人の主観だけど)、そのジャンルの空気感・文化として「ストーリー性」「メッセージ性」を表現することに重きを置いている、というのがあると思ったんです。

例えば、私はロックやヒップホップを踊ってるときってのは、単純に音にのる心地よさや無心になれる気持ちよさを楽しんでる感覚の方が強いし、バトルでも音はめのセンスとかが評価に反映される感じがあります。

これが八重山舞踊とかになると、いかに技術を高めて美しく魅せるかに価値を置いている感じが強くなるし、それぞれのジャンルで踊りに求めるものが根本的に全然違うんだなと感じるんですね。

伝統舞踊やストリートダンスは、大勢で踊っていても、基本的には個人プレイ・アスリート的な感覚というか、評価のされ方も「技術」とか「振りや構成のセンス」「個性」などに重きが置かれている感じがするんですが

一方のカラーガードや現代版組踊、ジャズ、コンテンポラリーは、評価軸の大きな部分に「ストーリー性」とか「メッセージ性」とか「アート性」がある気がしていて、同じダンスといっても大きく文化が異なる感じがします。

そして私は、後者の方が「この作品全てを通して伝えたいメッセージ」みたいなのが自分の体に乗り移った状態で、演者みんなと共同体で、何者かになって踊らされてる感覚が強くなるので、その分、舞台の上で自分が受けるパワーや感動も、「個」として踊っている時よりも、圧倒的に大きい感じがあります。

(もちろん、ストリートダンスでも舞踊でも、ストーリー性やメッセージ性の強いショーはいっぱいある!!ただそれぞれの業界の空気感として、求めてる点が違うと感じる。)

ダンスはジャンルごとに、ルーツとなる時代背景とか土地の文化とかが全然違って、そこに求める意味合い(労働の息抜きとか、反骨精神の象徴的なものとか、愛を伝えるものとか、夜の娯楽とか、国や地域ごとに色々あるよね)も、楽しみ方も、もちろん違って当たり前で、それが面白さでもあるんだけど、

個人的な価値観としては、やっぱり「技術」や「個人で楽しむこと」を求めて踊るときよりも、「ストーリー」や「メッセージ」を「大勢で共有しながら」表現していく作品づくりのときの方が、楽しいし、みんなで1つのものを作っていく感覚が好きだな〜と思います。

 

あと、ジャンルとは違う観点で言うと、私はプロよりもアマチュアのステージの方が、荒削りなぶん演者1人1人の個性や物語が舞台から溢れ出していて、作品を作り上げるまでの苦労なんかも表れていて、このキャストでしか叶わないナマモノがその瞬間に生まれていることを感じて、「今この場でこの作品に立ち会えてよかった!」と思えることが多いです。

子どもたちの舞台を見たときに心が動かされるのも、その未熟さゆえに、キャストの作品への想いや人間関係や努力の跡が、そのまま舞台からこぼれ落ちて伝わってくるのが理由な気がします。

たまに地元に帰って、後輩たちのステージを見たりすると、1人1人の姿が愛しくて誇らしくて切なくて、もうずっと涙腺ひらきっぱなしになってしまうもんね・・笑

バックステージを感じさせない完璧さを求めるのが、プロの世界であり、ディズニーのショーとか、劇団四季とか、私も素晴らしくて大好きだけど、そういう部隊で泣けるほど感動した経験がないのは、そういうことなんだなあと思う。

そして、自分が関わり続けたいのは、芸を極める世界ではなく、芸を通して誰かが輝ける場を作ることなんだなと、改めて感じる。

そう思うと、今ずっとやりたかった地域の子どもたちとの舞台づくりに関われていて、幸せだなあ。

同じ場所に居続けることで自分の成長を止めてしまってはいけないけど、こうやってずっと、自分が好きなことに、原点に、一生関わって生きていけたらいいなとは思う。

そして自分自身も、おばあちゃんになるまで、楽しく踊っていられる人生でありたい。

いつか、島のオバーたちみたいな、あんなすてきな、可愛いあったかい踊り手に、なれるだろうか。

なっていたいな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

沖縄県石垣島出身の早稲田大学生。地域づくり・教育について現場で学ぼうと、19歳のとき大学を休学して岐阜県白川村に移住。 石垣島と白川村を行ったりきたりしながら、人がよりよく生きるための学びの場づくりを模索・実践中。踊ること、対話することが好きです。